今回は2023年度の締めくくりとして、テクノアイでこれまでにお届けした記事の中から、2023年度中に受賞した技術や取り組みについての記事をまとめてご紹介します。
日本経済新聞
日経優秀製品・サービス賞2023 最優秀賞
制振技術「BILMUS」
受賞メンバーを代表してひとこと
ビル自体の重さを利用して建物全体の揺れを抑えるという制振システムの革新性と、自然災害が増加しその激しさも増す中で、都市のレジリエンスを向上させる社会貢献の可能性を評価いただいたと思います。さらなる進化により、300mを超える超高層ビルをはじめ、多様な建築物にBILMUSが応用されていくことを期待します。
日刊工業新聞
第66回十大新製品賞 本賞
環境配慮型コンクリート「SUSMICS-C」
受賞メンバーを代表してひとこと
バイオ炭による炭素の固定というカーボンリムーバル(炭素除去)に資する技術です。炭素の固定量を直接的に評価できることも特徴の1つとなっています。通常のコンクリートと同等の性能を維持し、既存の生コン工場での製造やポンプ圧送も可能、という特徴と汎用性の高さを活かし、今後多方面に展開していきたいと考えています。
一般財団法人 省エネルギーセンター
省エネ大賞 省エネルギーセンター会長賞
未来へつなげる「超環境型オフィス」を北陸から
受賞メンバーを代表してひとこと
金沢の地で得られる再生エネルギーを最大限に活用し、エネルギーの自立化・地産地消をめざした「超環境型オフィス」の取組みです。地域の気候・風土を積極的に利用する省エネ・再エネ・蓄エネ設備(Hydro Q-BiC®)の活用により運用時の「ZEB」を実現しました。今後はHydro Q-BiCの普及促進とともに、蓄積データや知見に基づく具体的な提案の実施を目指していきます。
公益社団法人 日本コンクリート工学会
日本コンクリート工学会賞(技術賞)
3眼カメラ配筋システムの土木・建築両分野での実用化
受賞メンバーを代表してひとこと
長年目指していた配筋検査の効率化のため、国土交通省の官民研究開発投資拡大プログラム(PRISM)の枠組みを活用し、現場でのヒアリングと実証・改善を繰り返して「写らく」という製品化に至りました。Tヘッド工法(2010年同賞受賞)と同様、業界全体の生産性と安全性向上に貢献できるよう成長させていきたいと考えています。
公益財団法人 土木学会
土木学会技術開発賞
繊維補強セメント複合材料を用いた建設用3Dプリンティング技術の開発
受賞メンバーを代表してひとこと
革新材料、ロボティクス、デジタル技術を組み合わせた独自のセメント系3Dプリンティングシステムを開発し、高品質で力学性能が高い部材を安定製造できる技術として確立した点を評価いただきました。現在は、技術の改善を図りながら、建築土木のさまざまな案件で適用を増やしている段階です。本技術を「誰でも使える技術」にすることを目標に、研究開発を継続していきたいと考えています。
公益財団法人 電気化学技術奨励会
電気科学技術奨励賞
視覚障害者のための自律型ナビゲーションロボット「AIスーツケース」の開発
受賞メンバーを代表してひとこと
この受賞は、コンソーシアムに参加する異業種企業の若手研究員が、それぞれの専門性を発揮し、数多くの実証実験を重ねた成果を評価されました。視覚障がい者の自立した移動を支援するためのナビゲーションロボット「AIスーツケース」が、今後DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)社会の実現への一助となることを願っています。
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