2013.01.16

テクニカルニュース

防災・減災

減災をめざして、シミズの地震防災技術

1995年の阪神・淡路大震災からまもなく18年が経過します。一昨年3月の東日本大震災での経験からも、被害を最小限に抑えるためには、事前の備えが何よりも重要です。

また、大地震に備えるにあたっては、建造物自体が地震の揺れに耐えることはもちろん、室内の安全性確保や地盤の液状化防止、津波対策など、複合災害に対するハード・ソフト両面からの総合的な防災力の向上が求められています。

今回の特集では、大地震に備えるための最新防災技術をご紹介します。当社では、東日本大震災における最新の知見を踏まえて開発した最先端の地震防災技術で、地域やお客様ごとに異なるさまざまなニーズにお応えしていきます。


当社の最新地震対策技術

防災診断のノウハウを集約「シミズ総合防災診断システム」

本システムは、立地環境に関する事前評価と建物の現地調査により、地震の揺れ、液状化や津波、火災等に対する施設の防災性能を総合的に診断することができます。

東日本大震災の最新の知見を踏まえた高度な防災診断をスピーディーに行い、企業の事業継続計画(BCP)の観点から施設の防災上の課題を明らかするとともに、課題に対する対策をご提案します。

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巨大地震から歩行振動まで制震!
回転式制震ダンパー「ダイナミックスクリュー」

ダイナミックスクリューは、ビル低層階に集中的に配置することで、地面から伝わる地震のエネルギーを低層階で効率よく吸収して、ビル全体の揺れを抑えます。


ダイナミックスクリューによる制震構造

揺れの特性に合わせて錘の大きさや取り付け部材を調整することで、従来の免震構造では抑えられなかった上下方向の地震動や、歩行等による床振動も制御可能です。


上下振動(歩行振動)対策への適用も可能

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津波の挙動や津波荷重を3次元モデルで詳細に予測
「津波総合シミュレーションシステム」

本システムは、津波が陸上を遡上して建物に衝突したり、建物内に浸入する様子を3次元で再現しながら、建物に作用する津波荷重を精度よく算定します。

津波の発生源となる断層破壊については、従来の解析で仮定していた一度に破壊する状況だけではなく、徐々に破壊が進行する状況まで考慮したシミュレーションが可能です。

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大地震と大津波から人命を守るハイブリッド津波避難ビル
「アーチ・シェルター」

アーチ・シェルターは、楕円形の筒状外壁「アーチウォール」とその内部に組み込まれた免震建物「インナービル」から構成されており、大地震発生時にはインナービルが地震力をかわし、アーチウォールが地震に続く津波の外力に耐える二重構造となっています。

アーチウォールの外周にはバルコニーを設けて津波による漂流物から本体を守ると同時に、バルコニーに設置された外部階段から周辺地域の避難者を受け入れることができ、緊急時には入居者と避難者を合わせて最大2,400人の命を守ります。

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既存吊り天井の耐震診断と改修方法をセットでご提案
天井耐震診断手法「ラッカノン」

本手法は、当社が東日本大震災後に実施した被害調査や各種実験で得た知見を集約・データベース化して確立したものです。診断担当者による評価結果のバラツキがなく、また、診断のみならず改修方法についても具体的に提案することができます。

診断に必要な時間は、天井面積10,000m2程度の施設の場合、報告書・提案書の作成を含め最短で1~2週間程度です。

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吊り天井の落下を防ぐ

本構造形式は、天井の補強ポイントごとに耐震ブレースを配置するとともに、部材の接合部を耐震クリップや耐震ハンガーなどで固定して耐震性を高めるもので、生産施設などに用いられる在来天井の落下防止に有効です。

既存の構造形式と既存製品を組み合わせる形式であり、従来のガイドラインなどで推奨されている耐震天井に比べて部品点数を4~5割少なくできコストダウンが可能です。

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小規模構造物の液状化対策コストを大幅低減

本工法は、地盤表層のごく一部を簡易改良することで液状化による地盤の変形を抑制し、小規模構造物の液状化被害を防止するものです。

新築はもちろん、改修にも対応可能であり、液状化する地盤の深さにかかわらず対策効果を発揮します。また、液状化層全体を改良せずに済むため、対策コストを大幅に低減することができます。

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液状化防止・改良地盤を短時間で設計

本評価法は、対象地の地盤データや想定される地震動等をエクセルシートに入力するだけで、改良体の形状や固さなどの仕様を最適化できます。

本評価法を用いると、改良体の仕様を変更しながら評価を繰り返すことで、液状化を確実に防止できる最も経済的な仕様を半日程度で決定することが可能です。

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