2010.08.31

テクニカルニュース

防災・減災

備えて「安震」! シミズの最新防災技術

9月1日は防災の日です。災害に対する備えは万全ですか? 地震などの自然災害を未然に防ぐことはできませんが、事前の備えにより被害を最小限に抑えることは可能です。

近年は、想定を上回る巨大地震により、道路盛土や山岳斜面などの土構造物が崩壊する被害を受けることがあります。昨年の夏には、駿河湾を震源とする地震で東名高速道路が大きな被害を受けました。今回の特集では、土構造物の崩壊予測と効果的な耐震補強工事に役立つ最新のシミュレーション技術の他、当社の防災関連技術についてご紹介します。


土構造物の崩壊解析シミュレーション

本システムは、強い地震により道路盛土や山岳斜面などの土構造物が崩壊する過程を、コンピュータ上で高精度に予測・再現できる3次元シミュレーションシステムです。斜面や地層の形状データや地盤の種類(砂・粘土)などを入力することで、地震による滑り線(崩壊部と非崩壊部の境界線)の形状や発生箇所、斜面の崩壊量などを定量的に求めることができます。


解析イメージ

■遠心模型実験で精度の高さを実証

断面形状が台形の斜面(高さ9m、下底幅16.5m、上底幅6m)を対象に遠心模型実験を行い、シミュレーション結果と比較したところ、斜面上端(天端)の陥没や下端(法尻)の変位量、滑り線の発生場所が高い精度で一致しました。


遠心模型実験


実験結果のスケッチ


システムによるシミュレーション結果。遠心模型実験の結果(左)と高い精度で一致

■合理的な対策工事の提案(例)

本システムは、崩壊しやすい部分を事前に特定できるため、効率的な耐震補強工事や経済性と安全性を両立した土構造物の提案に役立ちます。


その他の防災関連技術

地震だけではなく、火災や爆発などの事故災害リスクに対する備えも重要です。当社は、さまざまな技術でお客様の事業継続を支援します。

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ドライミスト、暑い夏に大活躍 !!

当社を含むコンソーシアムが開発したドライミストは、水とわずかなエネルギーで、効率よく気温を下げる環境にやさしい技術です。

超微細な霧を屋外で噴出し、蒸散効果により周辺の気温を2~3度下げることができますので、都市のヒートアイランド現象の緩和にも貢献します。霧は非常に細かな粒子なので気化するのも早く、濡れる感覚はほとんどありません。


六本木ヒルズのドライミスト(詳しくはこちらへ)。今年開催された「水の“ヒミツ”探検ツアー」(森ビル(株)主催)では、参加した小学生たちがその涼しさを体感

■導入事例



五稜郭タワー



新丸の内ビルディング



青山OM-SQUARE

■小型化でさらに用途が拡がる

新たに開発された小型のドライミスト(なごミスト®)を、当社建設作業所に導入しました。熱中症対策に有効であり、作業員の方々から「大変涼しい」と大好評です。