「GX BUILD~建物の脱炭素EXPO~」が、2023年12月13日~15日 東京ビッグサイトで開催されています 。清水建設ブースでは、GX(Green Transformation)× NOVAREをテーマとして、9月から運用開始したイノベーションと人財育成の拠点「温故創新の森 NOVARE」における「脱炭素」「資源循環」「自然共生」にむけた取り組みをご紹介しています。
今回は「資源循環」「自然共生」を取り上げる後編です。
GX×NOVARE 資源循環社会にむけた取り組み
木材の積極的利用
施設全体をつなぐ中心拠点NOVARE Hubでは、梁や床、天井や階段などに積極的に木材を使用しています。
カーブした梁のデザインは飾りではなく、屋根をバランスよく下から押し上げ、屋根の変形を抑える働きをする「木鋼ハイブリッド架構」と呼ばれる構造体で、木と鉄骨の組み合わせにより鉄骨の梁を細くすることができます。法的に木の耐火処理が不要で、耐火性能を求められる建築でも木材利用が可能です。
建築の木材は、強度のある針葉樹が主に使用されますが、NOVAREエントランス天井の天井には、広葉樹のカバ材を使用しています。
一般的には斑(色むら)のあるものは使えないと考えられがちですが、ここでは色むらのある未利用木材も無駄なく積極的に使うために乱貼りのデザインとしました。
廃材の再資源化とアップサイクル
廃材が持つ特徴を生かし、新たな用途の製品へとつくり変えています。床の木材の一部には有明体操競技場のベンチを再利用しています。床には建築基準法の内装制限がかからず、木材利用促進に適している一方、乾燥収縮や耐荷重、きしみ音の問題などもあるため、ここNOVAREを皮切りに検証し、問題を解決していくことで、将来の木材利用につなげていきたいと考えています。
石膏ボード、アクリル、木くずといった建設現場の廃材のほか、コーヒー殻や古着などをアップサイクルした家具をデザインしています。
木材の利用や廃材の再資源化を通じて、清水建設ではサーキュラーエコノミーの促進やCO2削減の未来へつなげたいと考えています。
GX×NOVARE 自然共生社会にむけた取り組み
雨水利用
敷地に降った雨水を水盤とその周辺のヨシ池・ハス池に溜め、塩素を使わずに消毒・循環することで、生態系の保護や文化財を守る防火設備に役立てています。
街区全体での生態系保護
企業の生物多様性保全や緑地づくりの取り組みを評価するABINC ADVANCE認証を取得しました(国内で3番目)。認証の範囲は、併せて整備した区道と公園、潮風の遊歩道を含み、江東区と共同で街区全体の生態系保全に取り組みます。旧渋沢邸の庭園には約1,000本の木々が、街路樹には32種類の樹木が植えられ、施設を使った人財育成にも活用します。
今後も地域にお住いの方々、NPOや行政と一緒に協力をしながら、地域の緑や生態系を維持し、持続可能でより豊かな緑のネットワークを創出していきます。