できたばかりの建物には、さまざまな物質が潜んでいる
「シックハウス症候群」をご存じでしょうか?壁紙の接着剤など、新築の建物の建材から発生するさまざまな有害物質によって、じんましんがでたり喉が痛くなるなどの健康被害のことを指します。これは、人体に限ったことではありません。できたばかりの建物から出る有害物質は、光やカビと同様に、美術品や文化財が劣化する原因となってしまうのです。
美術品を見せたいのに見せられない「枯らし期間」
美術館・博物館では建物の完成後、有害物質を出し切るために空調したまま1~2年間放置する「枯らし期間」を設けています。なかでも、美術品の色を変えてしまうアンモニアは、建物の構造体として大量に使用されるコンクリートから放散されるため、東京文化財研究所の指針値である「室内濃度30ppb」を下回るまでに長い枯らし期間を要します。つまり、コンクリートから発生するアンモニアの量をいかに低く抑え空気を整えられるかが、枯らし期間を短くする鍵なのです。
シミズの解決策!
「発生させない」「持ち込まない」「除去する」「管理する」の4原則でアンモニア室内濃度を低減!
「発生させない」「持ち込まない」「除去する」「管理する」の4原則でアンモニア室内濃度を低減!
シミズの解決策!
「発生させない」「持ち込まない」「除去する」「管理する」の4原則でアンモニア室内濃度を低減!
「発生させない」「持ち込まない」「除去する」「管理する」の4原則でアンモニア室内濃度を低減!
どうしたらアンモニアを低減して枯らし期間を短くできるのか?シミズが着目したのは、それぞれの課題に向き合って培ってきた対策技術を組み合わせることでした。材料の選定やフィルタの使用、濃度モニタリングなど、さまざまな技術の組み合わせによりアンモニアを効率的に除去することができました。
発生させない
コンクリート原料であるセメント・骨材・減水剤等から発生するアンモニア量を精密に測定。生コン製造工場ごとの配合設計を基に、アンモニア発生量が最も少ないコンクリートを選定します。打設後には、コンクリート面に発泡ウレタンを吹き付けることで、アンモニアを封じ込めます。
持ち込まない
外部からの汚染物質は、ケミカルフィルタによって外気処理を行います。また、展示ケースや家具などは、搬入するまでに汚染物質を十分に低減させてから、施設に入れます。
除去する
コンクリートの散水養生や室内の加温・換気、ケミカルフィルタによる化学吸着手法を導入。吸引した空気のアンモニア成分を活性炭フィルタに吸着させ、浄化された空気のみを室内に戻すことで、室内のアンモニア濃度を低減します。
管理する
濃度管理手法を導入して、アンモニア濃度の工事中の実測データと、対策の着手時から竣工までの濃度の経時変化を事前に予測したデータとを照合しながら作業を進めます。