さまざまなロボットが人の代わりに働き、人と共に生きる。そんな未来社会の実現には、建物設備をこれまでの人目線だけで考えるのではなく、ロボット目線でも考える必要があります。ロボット社会でも清水建設の出番です!
加速するロボットの実用化
掃除や介護などのサービスをロボットが行うことでより多様な対応ができ、産業用ロボットを活用し生産性の向上を目指すこともできます。さまざまな企業、団体の開発段階のロボットが実用化に向けた動きを見せており、ロボットが身近な存在になる時代がすぐそこにきています。
ロボット実用化に向けた問題点
しかし、実用化にはまだ問題があります。人目線の自動ドアやエレベータなどの建物設備が、ロボットに対してはバリアとなり、移動を妨げてしまうという点です。
2階で待機している案内ロボットが1階の来客を迎えにいく際は、動線内にいる配達ロボットを一時停止させる、自動ドアを開ける、エレベータを呼ぶなど、バリアをコントロールする必要があります。このコントロールと複数のロボットへの優先順位付けに加え、移動や動作範囲の調整を行うことができれば、問題は解決されるはずです。ところが、それぞれの制御システムは個別に開発されるケースが多く、目的の異なる多数のロボットや建設設備の統合的な制御は難しいのが現実です。
ロボットのバリアフリーを実現!
今後は、ロボットも建物設備を自由に利用できるようにバリアをなくす、いわば「ロボットのバリアフリー」と言える設計が必要になります。
この実現に向け、2018年より実証実験を行なって来た「自動運転プラットフォーム」を利用し、建物設備と複数ロボットを統合制御する技術を開発しました。制御システムと運行管理ソフトウェアを、自動運転プラットフォームを介して各種ロボットと接続することで、ロボット同士のスムーズな協調動作を実現できたのです。
ロボットと人の共生を、実証実験で先取り
この新たな技術は早速、清水建設技術研究所構内に実装され、実験が着々と進められています。構内にお邪魔すると、案内ロボット「ユンジセイル」と物流用ロボット「ロージー®」が、人のように狭い通路を、互いに譲り合いながら自由に移動し、それぞれの仕事を滞りなくこなしています。
清水建設は「ロボットのバリアフリー」を実現し、ロボットと人が共生できる空間づくりに取り組んでいく予定です。
豊洲エリアでも実証実験
清水建設では、「ロボットのバリアフリー」を実現するための先進的な取り組みとして豊洲エリアにおける施設内移動サービスを新たに開発、実証実験を行いました。人の移動をサポートする「インクルーシブナビ」と自動運転車両を連携させた安全で快適な移動は、未来社会に不可欠なエッセンスとして各方面から高い評価を得ました。