北海道洞爺湖サミットが開催され、日本政府が「クールアース推進構想※」を提案する中、当社は環境負荷低減効果を数値で示すことができる環境配慮型建築「エコビルパック」を発表しました。
保有するさまざまな環境負荷低減技術を、一つの建物に効果的にパッケージングし、従来の建物に比べLCCO2を30%削減する「エコビルパック30」や、50%削減する「エコビルパック50」など、お客様のご要望に応じた環境配慮型建築を実現します。
事務所版エコビルパック50(*印は当社独自技術)
クールアース推進構想:日本が2007年に提案した「美しい星50(クールアース50:地球温暖化防止のため、2050年までにCO2排出量を現在の半分にする)」の実現に向けた構想を提示
LCCO2削減効果を数値で示す環境配慮型建築「エコビルパック」
エコビルパックでは、まずはじめにお客様の目標とされるLCCO2削減量を数値設定します。当社が保有するさまざまな環境負荷低減技術を組み合わせながら、目標を具現化できる建物を計画します。また、計画時に設定した数値目標については、先進の各種モニタリングシステムにより計測、評価を行い性能を検証することができます。
参考事例:当社の技術研究所本館「エコビルパック35」
当社の技術研究所本館は、環境配慮型建築を設計コンセプトとし、さまざまな省エネ・環境負荷低減技術を盛り込んでいます。
LCC02排出量については、一般的なオフィスビルに比べ35%低減した「エコビルパック35」を実現しました。
■導入技術一覧
●空調関連技術
- TRIMAX蓄熱空調システム
全面床吹出し空調(フロアフロー)
躯体蓄熱(ストラストレージ)
ダイナミック型氷蓄熱(ダイレクト・ピュア・アイス) - 氷水搬送空調(大温度差、氷温水搬送)
- パーソナル吹出し口によるタスク&アンビエント空調
- 全熱交換器による排熱回収
- LON-WORSKSオープン化対応制御
- オンライン最適運転評価・制御システム
- 高効率照明+スケジュール制御
- 外気冷房
- 代替冷媒熱源
- 熱源台数制御
- 冷温水変流量制御
- ハイブリッド換気システム
- 設備省エネモニタリングシステム
- PHS位置情報利用による空調制御
- 在館人数による外気導入量制御
- CO2濃度による外気導入量制御
- 塵埃量による排気量制御
●照明関連技術
- 明るさセンサーによる照明制御
- 昼光利用グラデーションブラインド
- タスク&アンビエント照明
- PHS位置情報利用による照明OFF
- 太陽電池式外灯
●緑化計画・衛生関連
- 節水型衛生機器
- 屋上ビオトープ、壁面緑化
●施工関連
- 地盤改良へコンクリート再生微粉末利用
- 伐採樹木の再資源化
■導入効果
建物の竣工後、設備の運転データを収集し性能の検証を行っています。年間の1次エネルギー消費量では、ベンチマーク(標準)と比較して40%以上の削減となりました。
また、LCCO2(60年間)では、ベンチマーク(標準)※と比較して35%の削減となり、目標値通りの効果を確認できました。
ベンチマーク(標準)ビルのデータは(財)建築環境・省エネルギー機構「住宅・建築省エネルギーハンドブック2002」からの値による
単位面積あたりの一次エネルギー消費量
LCCO2(60年間として)