当社技術研究所では、7月から集中的な節電への取組みを実施した結果、7月と8月の2か月間においてピーク時使用電力を昨夏比で37.8%削減しました。5月に掲げた節電目標37%を達成し、スマートビルの核となる「シミズ・スマートBEMS」の性能を実証により確認しました。
ピークカットを図るため、本館・実験棟群ともに、太陽光発電と蓄電池、発電機などからなる「マイクログリッド」からの供給電力を最適利用するとともに、本館では昨年10月に導入した最先端のエネルギーマネジメントシステム「シミズ・スマートBEMS」によるデマンドレスポンス制御、実験棟群では使用電力を考慮した実験スケジュール調整を行うことで電力を平準化し、ピーク時における商用電力への依存度を大幅に低下させました。
「シミズ・スマートBEMS」は、太陽光発電や蓄電池などの分散型電源を最適制御するマイクログリッドと、設備機器の制御により電力を調整するデマンドレスポンス機能を統合したシステムです。熱負荷や電力負荷の予測に基づく設備機器の運転計画や電源設備の制御により、建物内の快適性を損なうことなく、使用電力を自在に制御することが可能です。
今後は、技術研究所での実証データをもとに、快適性と節電を両立できる本システムをお客様へ積極的にご提案していきます。
●シミズ・スマートBEMSのメリット
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使用電力を自在にコントロール「シミズ・スマートBEMS」
技術研究所本館に導入した「シミズ・スマートBEMS」は、マイクログリッド制御とデマンドレスポンス制御を統合化したエネルギーマネジメントシステムです。
太陽光発電と蓄電池からなるマイクログリッドにより、天候に左右されないピークカットが可能となります。また、電力負荷を考慮した設備機器の出力制御を行うデマンドレスポンスを組み合わせることで、より大幅かつ効果的に使用電力をコントロールできます。
■デマンドレスポンス制御
スマートBEMSのデマンドレスポンスは、過去の熱負荷実績や電力負荷実績と、天気予報のデータから、翌日の熱負荷と電力負荷を予測し、熱需要を満足しつつ使用電力制限や時間帯別電力料金などを考慮した熱源と電源の設備運転計画を立案します。
また、夏場の急激な気温上昇などにより、実際の使用電力が目標値を超えそうな場合でも、建物内環境への悪影響が少ない機器から、必要最小限の制御をリアルタイムで行い、電力を目標値以下に抑えます。これにより、快適性の維持とピーク電力の抑制を両立します。
電力負荷の平準化により、大幅なピーク電力削減
本館では、昨年の実績データを用いたシミュレーションに基づき、今夏のピーク電力の目標値を400kWに設定し、運用を開始しました。7月の運用を通じて蓄熱および蓄電利用を適正化する調整を行い、8月ではピーク電力を350kWまで抑えることができました。