当社は、立川ブラインド工業(株)、トーソー(株)と共同で、眺望と経済性を向上させる新機能を追加した「グラデーションブラインド」を開発しました。
グラデーションブラインドは、屋外の自然光を屋内に取り入れて、まぶしくない間接光として利用する採光システムです。照明用の消費エネルギーおよびCO2排出量を最大3割減らすことができます。今回は、庇や袖壁、周囲の建物により窓面に日陰が生じた場合、これを精度よく計算し、外部への視線を確保するようブラインドの羽根を水平に保ち、眺望を確保する機能などをシステムに追加しました。これにより屋外を眺望できる時間が増え、快適性を増加させます。また、ブラインドの羽根の角度を調整する駆動部をシンプルにした結果、価格は従来商品に比べ3割減となっています。
本システムは、建物の消費エネルギーの1/4から1/6を占める照明電力を無理なく削減することができます。加えて、夏季には、照明電力の削減により照明器具からの発熱量が減少するため、冷房負荷の低減につながるなど、ピーク電力の抑制にも有効です。
グラデーションブラインド
オフィスへの取付例
●グラデーションブラインドのメリット
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角度の異なる羽根で、部屋の奥まで明るく採光
グラデーションブラインドは、屋外の自然光をブラインドの羽根で反射させて室内の天井を照らす採光システムです。効率のよい採光により、人工照明の消灯や間引き点灯が可能です。
本システムの特徴は、ブラインドの羽根の角度が上部から下部にかけて少しずつ異なることです。
この羽根の角度を太陽の高度にあわせて自動的に変化させていくことで、直射日光を遮ってまぶしさを抑えつつ、昼光を部屋の奥まで取り入れます。
羽根の角度のイメージ
■明るさの検証(従来型ブラインドとの比較)
従来型ブラインド
従来型ブラインドでは、窓面をまぶしくないようにすると、部屋全体が薄暗くなり、人工照明が必要となる
グラデーションブラインド
グラデーションブラインドでは、窓面がまぶしくなく、部屋の奥まで採光。室内全体の明るさ感を増加させる
眺望確保時間の向上をはじめとする新機能を搭載
新しいグラデーションブラインドでは、庇や袖壁、周囲の建物形状などの情報をあらかじめ中央制御システムに入力することで、採光できる時間帯でも窓面に日陰が生じているとシステムが判断した時には精度よく計算し、外部への視線を確保するようブラインドの羽根を水平に保ち、眺望を確保することができます。本システムを導入予定の当社京橋新本社ビルで試算した場合、屋外を眺望できる時間が旧システムに比べ2割増える結果となりました。
この他にも、照明エネルギーと空調エネルギーをリアルタイムで計算し、CO2排出量を最小化する制御機能(照明、空調の最適運転)や、さまざまな日射計測方法に対応し、直射日光の量や拡散して届く日射の量を精度よく演算する機能を搭載しています。
■主な新機能
近隣建物による日陰判定機能
3次元GISデータから、近隣建物を含めた天空図を作成し、近隣建物の影響による日陰を精度よく判定。
日陰時の眺望確保時間が向上するようブラインドを自動制御
庇や袖壁などに対応した制御機能
庇や袖壁などによってできる日陰を精度よく判定し、これにあわせてブラインドを最適制御することで、日陰時の眺望確保時間を確保
部分的な日陰時の最適制御機能
日射しのあたる最上部の羽根の角度を最適制御し、昼光を天井部の最適な深さへ取り入れて、照明電力の削減量を最大化