2006.04.20

テクニカルニュース

省エネ

昼に発電し、夜に発光する外装材「光る太陽電池」

外装材「光る太陽電池」は、シャープの開発による太陽電池と発光ダイオードを一体成形した太陽電池パネルを当社とのコラボレーションにより、夜間、外部に向けて発光し、イルミネーションとして使えるガラス壁です。

自然エネルギーの有効活用とともに建物の外観デザインとしての演出効果を高められ、また、ダイオードの色や配置を変えることで、商業用のディスプレイにも活用できます。

このたび千葉県松戸市に建設中の大型複合ビル「プルミエ III ビル」に採用されることが決定しました。太陽電池と発光ダイオードを一体成形した外装材が、本格的に建築の照明として使用されるのは、国内外で初めてのことです。

イルミネーションとして使える夜間と昼間の外観イメージ

●「光る太陽電池」の特長

  • 太陽光という自然エネルギーを有効利用しつつ、建物のデザイン性を向上させます。
  • 地域のにぎわいの演出に加え、建物前の歩道に照明としての補助的な効果があり、防犯対策としても期待できます。

複合ビルに初採用

本技術を初採用した「プルミエ III ビル」では、 二層構造のガラス壁の内側に80枚の「光る太陽電池」を設置しました。二層構造のため、清掃やメンテナンス、レイアウトの変更が容易です。

従来の太陽電池は屋根置きが一般的ですが、今回はシースルータイプのガラス状なので窓としても使え、昼間は採光しながら発電し、その電気で夜は発光します。その発電分はCO2を発生しないので地球環境保全にも寄与します。


外側から見た発光中のガラス壁(実大サイズの試作パネル)


透過性に優れたガラス壁:内側から見た景色(イメージ)


発電と発光の仕組み

薄型太陽電池と発光ダイオード照明を一体化したガラス壁は、シースルータイプなので昼間は太陽電池による発電と同時に、太陽光の採光が可能です。

今回は、建物の外壁として垂直に設置し、発光ダイオードを外側に向けて発光させていますが、建物の屋根や庇などに水平に設置し、発光ダイオードを内側に発光させるタイプもあります。

建物の外壁にイルミネーションとして設置した場合(垂直)


(昼間)


(夜間:外側に向かって発光)

参考:屋根や庇などに水平に設置した場合


(昼間)


(夜間:内側に向かって発光)


プルミエ III ビルの概要

所 在 地 千葉県松戸市紙敷43街区(東松戸駅前)
発 注 者 有限会社プルミエ
設 計 者 清水建設株式会社
施 工 者 清水建設株式会社
工   期 平成17年3月~平成19年2月
構造・規模 鉄筋コンクリート造(免震構造)一部鉄骨造
地下1階地上16階(1~3階:店舗他、4~16階:住戸)
延べ床面積 22,336m2
建物用途 店舗、集合住宅、駐車場