2003.06.03

テクニカルニュース

省エネ

「風まかせ」より「シミズまかせ」!~風力発電所建設の頼れるパートナーです

 当社は、建設業界では初めてフルターンキーで、2件の風力発電所建設工事を受注し、昨年末より相次いで着工しました。

 一つは、中国地方最大の風力発電所で、ゆやウィンドパワー(株)※1発注の「楊貴妃の里ウィンドパーク(山口県)」建設工事。もう一つは、(株)エムウインズ※2発注の「銚子しおさい風力発電所(千葉県)」建設工事です。


「楊貴妃の里ウィンドパーク」完成予想図

  当社は、風力発電の風車基礎工事において5カ所の発電所を施工した実績があり、関連する技術を豊富に蓄積しています。また、設計、資機材調達、電気工事に加えて、従来お客様ご自身が行われていた諸官庁への届出・折衝、建設地の選定、事業資金の借り入れなど、風力発電所の事業化・建設に関わる一連の煩雑な業務を代行することができます。

 風力発電を利用した売電事業に参入する新たなビジネスチャンスとして、また今後日本でも本格化していく「RPS制度」導入に備えて、風力発電所を計画されているお客様は、ぜひ当社にご相談ください。

丸紅(株)及び(株)地域エネルギー研究所共同出資の売電事業者

(株)明電舎関連の売電事業者

≪お客様へのサポートメニュー≫

  • 風力発電所の事業化・建設に必要となる事業支援をトータルで行うことができます。
  • 投資案件専門のスタッフがサポートすることにより、有利なプロジェクトファイナンスを組むことができます。
  • 複雑で高低差のある日本の地形に対応した予測モデルを用いて、風況(風速や風向など)を精度よく予測できます。
  • 最近注目されている洋上立地の風力発電所建設に必要な高度な技術力を有しています。

風力発電所の事業化・建設に必要なあらゆるサポート

 立地調査から運転・保守まで、風力発電所の事業化・建設に必要なあらゆるサポートをします。

立地調査

  • 有望地域の抽出
  • 近傍の風況データ収集
  • 地理的条件の調査(自然、社会条件)
  • 風車導入規模の想定

風況解析・検討

  • 風況観測
  • 風況特性、エネルギー取得の評価
  • 経済性の概略検討

関係機関諸手続

  • 「新エネルギー事業者」認定の申請
  • 電力会社との事前協議(系統連系等)
  • 工事計画の届け出(出力500kW以上)
  • 電気主任技術者の選出または委託
  • 保安規程の届出

設  計

  • 風車設置点の決定
  • 風車規模の設定(容量、台数、配置)
  • 機種の選定
  • 環境影響評価(騒音、電波障害、景観等)
  • 経済性の検討
  • 測量調査、地質調査
  • 設備設計、工事設計、工事計画

建設工事

  • 土木工事、風車設置工事、電気工事
  • 試運転、検査

運転・保守

  • 電気設備の保守点検
  • 風車設備の保守点検

■プロジェクトファイナンスに関するサポート

 当社の投資案件専門スタッフは、事業者であるお客様が少しでも有利になるプロジェクトファイナンスを組むためのサポートをします。

ファイナンスストラクチャー構築
金融機関ヒアリング
FA、コンサル関与検討・選定助言
資金調達計画
キャッシュフロー作成
助成制度(補助金、低利子融資等)検討、盛込み
保険付担保計画

レンダーへの打診
インフォメーション・メモ作成
タームシート作成と授受
融資調印
貸出実効
   
   
   

●当社の主体業務 ◎共同業務 ○フォロー・アドバイス業務

■日本独自の地形に対応した高精度の風況予測技術

 風力発電量は風速の3乗に比例するため、小さな風速の予測誤差が大きな発電量の予測誤差につながります。そのため、風力発電機の設置位置における風況を可能な限り正確に予測する必要があります。

 世界的に広く使われている風況予測モデルは、地形の傾斜や勾配が大きくなるにつれて予測精度が落ちるという欠点があり、急峻で複雑な地形を持つ日本には不向きです。当社は、日本独自の地形に対応した風況予測モデル「MASCOT(マスコット)」により、従来モデルよりも高い予測精度を実現してます。

MASCOT:Microclimate Analysis System for Complex Terrain。東京大学 石原孟助教授開発・指導のもと当社の風況解析技術として活用しています。

■洋上風力発電に関するサポート

 当社は、港湾施設設計の専門スタッフを保有し、風車の基礎として考えられるケーソン基礎、杭基礎、モノパイル基礎などの類似構造物に関する多くの設計実績があります。また、波浪解析技術を活用し、洋上での風力発電所建設をサポートします。


港湾部の波浪条件を精度よく解析できる
「波浪解析」

伸びゆく風力発電と日本の「RPS制度」

 2000年3月の改正電気事業法の施行で売電が認められて以来、新たなビジネスチャンスとして風力発電を利用した売電事業に参入する動きが活発化しています。また、新エネルギー(風や太陽光など)の普及を促進するために「RPS制度」の導入が本格化しつつあります。

 新エネルギーの中でも、風力発電は世界的にも注目されており、国内の総出力は2010年度に300万kWまで拡大すると予測されています(経済産業省目標値)。

風力発電の導入動向


日本の設備容量の推移
出典:新エネルギー財団(NEF)


国別の設備容量(2001年)
出典:欧州風力エネルギー協会(EWEA)