新たな資源である「海洋深層水」の有効利用に向けた技術開発に当社はいち早く取り組み、1989年に完成した日本初海洋深層水取水施設(高知県)を始め、全国に10カ所*ある取水施設のうち、8カ所の施工実績があり、豊富なノウハウを蓄積しています。
昨年11月、海洋深層水による養殖に日本で初めて温泉水の熱を利用する「熊石海洋深層水取水施設」が竣工しました。今年11月の運用開始に向け現在着々と準備が進行中です。
当社はこれまでの実績とノウハウを生かし、自治体などのお客様の海洋深層水プロジェクトを構想段階や運営といったあらゆる段階においてご支援します。
これまで関わった海洋深層水取水施設は、台風などによる取水管の切断事故や取水停止などが一度もなく、施設を運営されている各自治体からは高い信頼を得ています。
取水量1,000m3/日以上の取水施設
≪海洋深層水の利用分野とメリット≫
- 一般の海水と比べて、はるかに細菌が少ない、栄養分をたくさん含むなどの特性を生かし、飲食物への利用や、アトピー治療、タラソテラピー(海洋療法)などに利用されています。
- 深層水商品を開発する企業の工場建設などにより、地域振興効果も期待できます。
- 空調や発電所の冷却水などの冷熱源利用や、魚介類の鮮度維持・魚市場の洗浄など、今後も様々な用途が考えられます。
水産分野活用 | : | 養殖・蓄養、魚介類の鮮度保持・魚市場の洗浄 |
食品分野活用 | : | 各種食品、飲料生産や原料 |
健康・美容・医療分野活用 | : | アトピー治療、海洋療法、化粧品など |
農業分野活用 | : | 冷温農業(暑い地域での農作物の生産促進など) |
エネルギー・資源分野活用 | : | 冷熱源利用、飲料水などの水資源利用 |
環境保全分野活用 | : | 海域肥沃化、藻場(海草などが群生する場所)の造成 |
■海洋深層水とは?
一般的に、太陽光の届かない水深200mより深いところの海水を指します。実際に取水している深さは300m以上と非常に深く、当社は日本最大深度687mの取水施設も施工しています。
■海洋深層水の特性について
海面付近の海水(表層水)と比較して、以下のような特性があります。
- 低温安定性(年間を通して低温を維持)
- 富栄養性(植物の成長に必要な窒素などの栄養分を多く含む)
- 清浄性(細菌がほとんどいない)
これらに加えて、ミネラルバランスが優れている点でメリットがあり、さまざまな商品展開に役立っています。
●深層水と表層水の特性比較
出典:沖縄県「事業概要書 海洋深層水研究開発事業」
■当社の実績と取水技術
●日本国内における豊富な当社の実績
●取水管敷設のプロセス
敷設作業は天候に左右されない時期を選んで、概ね2~3日程度で完了させます。
- 継ぎ目のない取水管を台船上のリールに巻き取って搭載し、敷設地まで曳航します。
- 取水管敷設開始後、台船はDPS(位置制御システム)により制御を行いながら進みます(台船の位置の精度は±1m)。
- 取水管を所定の長さ分を送り出し、最後に取水口を沈設して終了です。
●±1mの精度でコントロールする取水技術
取水管を巻き付けた巨大なリールを台船に載せ、陸から沖に向かって敷設していく「リールバージ工法」により取水管を敷設します。当社は、「DPS付敷設台船」を用いることにより、±1mという高い精度で台船を制御しながら作業を行います。継ぎ目のない管を安全かつ短期間で敷設でき、管路を曲げることも可能で、この工法により最長7.3Kmの取水管を1本で敷設した実績があります。
なお、海洋深層水の取水は、海底面に沿って所定の水深まで設置した取水管によって行います。取水管には、ポリエチレン管の周りに鉄線や鋼帯を巻き付けて補強した「鐙装硬質ポリエチレン管」が主に用いられます。
◆「水のEXPO」に海洋深層水への取り組みについて出展します!
当社は、3/18~3/22に大阪市インテック大阪で開かれる「水のEXPO」に、海洋深層水、土壌・地下水浄化技術をテーマとして出展します。
主 催: | 水のEXPO実行委員会、日本経済新聞社 |
会 期: | 2003年3月18日(火)~3月22日(土) |
開催時間: | 10:00~17:00 |
会 場: | インテック大阪 |
入場料: | 無料 |
ホームページ: | http://www.water-expo.jp/ |