ヒートアイランド現象の緩和や都市環境改善のために、国土交通省では都市部の緑化促進に関する新法案(2005年度より施行)の提出を予定しています。
この法案では、大規模ビルの建設時における緑化区域の設置義務(屋上も可)と同時に、容積率の割増や固定資産税の軽減などが検討されています。
限られた敷地内でより多くの面積を緑化するためには、屋上緑化が有効です。当社は、軽量な平面的緑化から、潅木や低木を取り入れた立体的緑化、さらには屋上ビオトープなど、お客様のご要望に最も適した屋上緑化システムをご提案します。
■屋上緑化の効果とメリット
- 屋上を利用することで、限られた敷地内で緑化面積を増加させることができます。
- ヒートアイランド現象の緩和や都市環境の改善とともに、景観や企業イメージの向上を図ることができます。
- 屋上庭園、屋上ビオトープにより、利用者に憩いの場を提供することができます。
- 最上階の空調負荷を低減し、建物の省エネルギーに貢献できます。
目的や条件に最も適した屋上緑化をご提案します
■平面的緑化
- セダム類や芝、ヘデラなどの匍匐(ほふく)性のつる植物を用いた軽量な緑化方法です。
- 維持管理が容易で、積載過重も50Kg/m2程度と軽く、既存建物の屋上緑化に採用しやすい工法です。
- マンションや事務所ビルの屋上緑化に最近多く採用されています。
■立体的緑化
- 潅木や低木、中高木など、様々な樹木を用いて立体的に緑化する方法です。
- ヒートアイランド現象の抑制効果や、CO2の削減効果、大気浄化効果など、平面的緑化よりも周辺環境の改善効果が高い緑化です。
- マンションや事務所、商業施設など幅広い用途の建物に利用できます。
■ビオトープ緑化
- 立体的緑化に水辺の環境を加えた「ビオトープ緑化」では、さらに高いヒートアイランド現象の抑制効果に加え、生態系の回復や、ビル利用者の憩いの場としても非常に価値のある屋上緑化を実現できます。
ビオトープ緑化には、以前ご紹介しましたビオトーププランニングシステム「ビオナビ」が活用できます。下の画像をクリックすると、ビオナビによるプレゼンテーションイメージを動画でご覧いただくことができます。
ニーズに合った植栽基盤をご提供します
屋上緑化の植栽基盤については、設置が容易な緑化パネル式植栽基盤「グリーンルーフ工法」と、省資源型の底面潅水式植栽基盤「底面潅水システム」を開発しています。設計・施工条件や維持管理のご要望などと合わせて、最適な植栽基盤をご提案します。
■緑化パネル式植栽基盤 「グリーンルーフ工法」
- 保水層*により潅水回数を少なくできます。
- 防水層の上に直接設置することができ、防水押さえコンクリートなどが不要となります。
- 軽量で既存ビルの屋上を緑化する場合に適しています。
■底面潅水式植栽基盤「底面潅水システム」
植物に緑化部分の底面から水を与える当社の「底面潅水システム」は、給水にかかる手間や水道料金などを削減することができます。
- 植栽域内に給排水用の配管が不要で植栽の植え替えが容易です。
- 植栽域内に溜め水がなく根腐れが起きにくくなります。
- 人工土壌に均一に水を供給でき給水量が少ないくてすみます。
- 土中水分計を取り付け、給水を自動化することも可能です。
壁面緑化もご提案します
当社は、屋上緑化や屋上ビオトープと同様に壁面緑化の効果にも注目し、ローコストで良質の壁面緑化システムに取り組んでいます。植物の空気浄化能力による大気の浄化や、葉からの蒸散作用によるヒートアイランド現象の抑制が期待できます。
▼ヘデラ(つた類)による垂直面の緑化
緑化に関する法律の動向
■国土交通省の取り組み
平成13年5月に都市緑地保全法が改正され、緑化施設整備計画に基づいて整備された緑化施設について認定されたものは、固定資産税の特例措置(整備後5年間は課税標準2分の1)が適用されています。(認定された緑化施設については、こちらをご覧ください)
また、大規模ビルの建設時に緑化区域の設置を義務付ける考えも発表されており、これでは最低限敷地の20%程度を緑化し、緑化面積によりビルの容積率の割増や固定資産税の軽減も検討されています。対象となる建物の規模や緑化の割合、容積率の割り増し制度との連動や、税の優遇制度については今後調整されていく予定です。これらは「都市公園緑地法案(仮)」として2005年度の施行が検討されています。