2003.03.13

テクニカルニュース

環境

「水」の課題にお応えします~地下水浄化から、画期的な厨房の廃水処理まで~

 去る2月15日から施行された土壌汚染対策法により企業に汚染確認が義務づけられ、土壌汚染の原因となる汚染地下水の浄化が促されています。

 今回の特集では、社会的に関心が高まっている地下水浄化技術を中心に、厨房からの廃水処理の新技術など、当社の水処理に関する幅広い取り組みをご紹介します。

「汚染地下水」の浄化

■微生物による地下水浄化技術「バイオスクリーン」

 微生物が持つ化学物質を分解する能力を利用した無害化技術である「バイオレメディエーション」により、汚染された地下水を浄化する技術です。広範囲・低濃度に存在する油・揮発性有機化合物の浄化に最適です。

▼概念図

●バイオスクリーンのメリット

  • 汚染地下水の敷地外への流出を防止できます
  • 井戸とポンプだけのシンプルなシステムです。
  • 土地利用に制限が無く建物下に設置可能です。
  • 約30%*のコスト削減効果があります。

遮水壁と地下水揚水処理法によるものと比較

■散気・揚水・吸引機能を持つ「ハイブリッド型エアスパージング法」

 散気・揚水・吸引の3種類の機能を持つハイブリッド井戸を設置し、バルブの切り替えにより、3タイプの浄化システムを選択できる浄化方法です。不飽和層および飽和層の土壌・地下水に浸透している揮発性有機化合物の浄化に最適です。

●ハイブリッド型エアスパージング法のメリット

  • 浄化精度の向上と浄化期間の短縮、さらに浄化コストの低減が図れます。

▼概念図


厨房廃水処理でお困りの方へ

■「土壌菌活性汚泥処理システム」による排水処理・中水製造

 従来の加圧浮上処理設備は、硫化水素の発生による悪臭や水槽の腐食、多量の産廃汚泥の処分費や多額のランニングコストがかかるなどの問題をかかえています。「土壌菌活性汚泥処理システム」という非常にシンプルな生物処理システムへ改造することにより、これらの問題を一挙に解決することが出来ます。

●「土壌菌活性汚泥処理システム」のメリット

  • 産廃汚泥処分費、薬品費、脱臭剤費、水槽の清掃・補修費といったランニングコストを大幅に削減することができます。
  • 加圧浮上槽とその付帯設備が不要になり、床スペースを有効利用することができます。
  • メンテナンスが容易になります。
  • 硫化水素による臭気の発生防止と躯体・機器の腐食防止に貢献します。

●システムの概要


  • 土壌菌を調整曝気槽、曝気反応槽に大量に投入し、システムを立ち上げます。
  • 超微細気泡散気装置による酸素の高効率供給で土壌菌活性汚泥を維持し、厨房排水を処理します。

排水処理から超純水製造まで、さまざまな水処理エンジニアリングでお応えします

■ランニングコスト算出からメンテナンスまで、
トータルな水処理計画をご提案します。

  • 蓄積された豊富な実績と新技術を活用し、数多くの排水処理に取り組んでいます。
  • 電子部品工場で利用される純水製造などお客様の様々なニーズにお応えします。
  • オフィスビル排水の中水道利用など環境への配慮を含め幅広くご提案します。

●施工例:工場排水処理設備と純水製造設備

薬品工場排水処理設備

用途: 化学薬品製造排水の浄化
場所: 福岡県嘉穂郡
水量: 40m3/日
水質: 原 水…pH1.6、Fe2000mg/L、Cu10mg/L
処理水…pH5.8~8.6、Fe10mg/L以下、Cu3mg/L以下

純水プラント内部

用途: 電子部品製造用
水量: 5m3/時
水質: 10MΩ・cm以上

◆「水のEXPO」に地下水浄化技術の紹介を出展します!

当社は、3/18~3/22に大阪市インテック大阪で開かれる「水のEXPO」に、土壌・地下水浄化技術、海洋深層水をテーマとして出展します。

主  催 水のEXPO実行委員会、日本経済新聞社
会  期 2003年3月18日(火)~3月22日(土)
開催時間 10:00~17:00
会  場 インテック大阪
入場料 無料
ホームページ http://www.water-expo.jp/