2010.11.04

テクニカルニュース

環境

バルコニーで交通騒音対策。二重サッシが不要に

当社は、マンションなどのバルコニー越しに入ってくる交通騒音を低減する「遮音バルコニー」を開発し、実用化に目処をつけました。

遮音バルコニーは、幹線道路や鉄道などからの交通騒音を、バルコニーの天井に設置した専用の反射パネルにより屋外に反射させるもので、騒音のエネルギーを最大70%削減し、騒音レベルを最大5dB(デシベル)低減することができます。

本技術とサッシで騒音対策を分担することにより、サッシの防音性能を1ランク下げることで、二重窓を一重窓にでき、眺望や居住性を向上させます。また、交通騒音が激しく、最高ランクの防音性能を有する二重の窓サッシによる対策が難しい場所においても、本技術の併用で騒音対策が可能となります。本技術は、防音壁の効果が及ばない中・高層の住戸に有効です。

■「遮音バルコニー」のメリット

  • 騒音のエネルギーを最大70%削減し、騒音レベルを最大5dB低減できます。
  • サッシの防音性能を1ランク下げることで、二重窓を一重窓にでき、眺望や居住性を向上させます。
  • 最高ランクの防音性能を有する二重の窓サッシによる対策が難しい場所においても、本技術の併用で騒音対策が可能となります。
  • 吸音材では効果の得難い低周波数域の騒音に対しても低減効果を発揮します。

2種類の反射パネルで、騒音を屋外に反射

中層階以上の住戸において、バルコニーから室内に伝わる騒音には、直接波と回折波(かいせつは)の二種類があります。直接波は、地上の騒音がバルコニーの天井に反射して室内に伝わります。また、回折波は、騒音がバルコニーの手摺先端部を回り込むようにして室内に伝わります。

当社が開発した遮音バルコニーは、直接波用と回折波用の騒音反射パネルで構成されます。表面が平らな直接波反射パネルは、騒音の入射角度に対して直角になるように設置します。一方、円弧状の窪みをつけた回折波反射パネルは、直接波反射パネルの内側(外から見て後ろ側)に設置します。いずれの反射パネルも、バルコニーの天井に入ってくる騒音を屋外に反射します。なお、騒音は音源方向に反射するため、階下や隣室に騒音が届くことはありません。

騒音反射パネルの角度は、設置する階により変える必要がありますが、例えば、40階建てマンションでは3パターン程度で対応可能です。


通常のバルコニー


遮音バルコニー


影響が大きい直近の騒音を最大5dB低減

遮音バルコニーの騒音低減効果について、鉄道沿いに建設中の超高層マンション(40階建)で実証実験を実施しました。その結果、列車通過時の騒音など、影響が大きい直近の騒音を最大5dB低減することが確認できました。これはサッシの遮音等級1ランク分に相当します。本技術は、防音壁の効果が及ばない中・高層階で大きな効果を発揮します。


列車通過時の騒音レベルの変動(屋外側窓面中央で計測)

「COP10」に参加しました

生物多様性条約 第10回締約国会議「COP10」が名古屋で開催されました。10月11日(月)から29日(金)までの会期中、名古屋国際会議場周辺の会場ではフォーラム、セミナー、シンポジウムなど、情報発信・情報交換のためのサイドイベントが催されました。当社も、生物多様性交流フェアをはじめ、様々なイベントに参加しました。

■経団連自然保護協議会「会合」

当社は、「日本経団連生物多様性宣言」推進パートナーズに参画しています。当社専務の東條(右写真中央)が経団連自然保護協議会副会長として「ビジネスと生態系に関する国際対話会合」など3つの会合に参加しました。

生物多様性交流フェア「屋外展示会」


中部大学、愛知県と共同展示
遺伝子から地域まで考慮した生物多様性保全研究の一環「あいち森と緑づくりモデル事業」やシミズの生物多様性への取り組みなどをご紹介しました。


アニマルパスウェイ研究会展示
当社が参画する研究会では、リスやヤマネなど、樹上性動物のための通り道・橋の研究開発や普及活動をしています。活動概要をご紹介しました。

■生物多様性交流フェア「フォーラム」


樹上動物の移動経路確保のため、分断された森林を結ぶ「アニマルパスウェイ」の取り組み(国際シンポジウム)
国内外の研究者による事例報告・講演及びパネルディスカッションが行われ、当社もパネリストとして参加しました。


生物多様性イニシアティブ(JBIB)
企業の先進的事例発表

生物多様性の保全を目指して積極的に行動する企業の集まりです。生物多様性の問題が人の暮らしと密接に関係していることや、当社の取り組みについてご紹介しました。