2009.11.12

テクニカルニュース

環境

「カーボンハーフ」を実現する超環境型オフィス

当社は、「輻射空調システム」や「ゼロエネルギー照明システム」「ハイブリッド外装システム」など、最先端の環境技術を2011年竣工予定の新本社ビルに導入します。

新本社ビルでは、これらの新技術に加えて、当社が開発したさまざまな省エネ技術を組み込むことにより、一般的な事務所ビル(東京都にある事務所ビルの2005年の平均)と比較してC02排出量を50%削減する「カーボンハーフ」を実現します。また、省エネ効果をリアルタイムに把握できるエネルギーマネジメントシステムも導入します。


新本社オフィス・ラボ

今年9月には、未来志向の超環境型オフィスを体験できるショールーム「新本社オフィス・ラボ」を開設し、今後も、高い省エネ性能と快適性を実現する最先端技術を積極的にご提案していきます。


快適性と環境性に優れた空調システム

「輻射空調システム」は、全面輻射天井パネルの裏に設置したパイプに冷温水を流すことにより室温をコントロールします。湿度をコントロールするデシカント空調機は、夏場に室内温度を高めに設定しても快適に過ごすことができます。また、机下の床に設けたパーソナル床吹出口を開閉することで、個人の好みに合わせて気流を自由に調節することができる「タスク&アンビエント空調」となっています。これらの技術を組み合わせて、快適性と環境性に優れた空調システムを実現します。


輻射天井パネル:冷温水の配管を通した天井パネルの裏側


乾燥剤を用いて湿気を吸着除去するデシカント空調は、空気を冷却して水分を取り除く通常の除去方式に比べ、除湿に必要なエネルギーを削減することができます


太陽光を最大限に活用する「ゼロエネルギー照明システム」

「ゼロエネルギー照明システム」は、太陽の光とエネルギーを最大限に活用する照明システムです。

本システムは、日射を間接光として執務室の奥まで効果的に取り入れる「グラデーションブラインド」、「ライトシェルフ」および人感センサーと連動した「タスク&アンビエント照明」により無駄な照明を減らします。また、同時に、昼間の照明に必要な電力すべてを外装窓面に設置した太陽光発電パネルから賄います。また天井照明には、低消費電力で長寿命のLED(発光ダイオード)照明を全面採用します。


太陽光発電パネルは、薄膜型と多結晶型を採用。光を透過する薄膜型は執務室の窓に、また発電効率は高いが、光を透過しない多結晶型は目隠しが必要な共用部に導入


昼光利用による執務室のイメージ


建物運用時のCO2排出量をリアルタイムに「見える化」

新本社ビルのエネルギーマネジメントシステムは、「省エネ運転ナビ」が、BEMS(Building and Energy Management System)や負荷予測制御、シミュレーション技術からの情報を複合的に評価して、最適な運転情報を中央監視装置に出力し、空調機などの機器を自動運転する仕組みとなっています。同時に、運転時のCO2排出量削減効果をリアルタイムで「見える化」することで、省エネ効果を分かりやすく示します。


外装材と構造体、環境装置の3役を兼ねる外装システム

■プレキャストハイブリッド外装システム

プレキャスト(PC)ユニットを利用した、外装材と構造体、太陽光発電パネルなどの環境装置の3役を兼ねた外装システムです。太陽光発電パネルは日射を受けやすい高層に多く配置、また耐震パネルは低層部に多く配置します。

■コラムレスオフィス

新本社ビルは、中心部のコアウォールと構造体および外壁の役割を担うPC外周フレームにより建物を支える構造です。

窓まわりを含め、室内には柱が一本もなく、広いオフィス空間を実現します。


新本社ビルの概要

新本社ビル建設においては、「都市再生」、「環境」および「公共貢献」をキーワードに掲げ、最新の建築技術と環境技術を結集し、未来志向の超環境配慮型オフィスビルの創出を目指します。

高層棟

住所 京橋二丁目15、16番
用途 事務所、駐車場 他
敷地面積 約3,000m2
延床面積 約51,500m2
構造 RC造、SRC造(地下)
規模 地下3階、地上22階、塔屋1階
高さ 約110m
完成予定 平成23年9月