当社は、ナノレベルの汚染対策が求められる最先端クリーンルームにおいて問題となるケミカル汚染を、短期間で高精度に評価できるシミュレーション技術を開発・実用化しました。
分子シミュレーションを応用した本技術は、実験に頼る従来の手法に比べ、1/3程度の期間でケミカル汚染対策を行うことができます。また、数多くの化学物質やデバイスの表面状態がデータベースとして組み込まれており、実際の製造条件下で高精度にシミュレーションすることが可能です。
ウエハや液晶のガラス基板表面に吸着して不良の原因となる物質の特定や汚染度を把握することで効果的な汚染対策を提案できる本技術は、新築計画時のシミュレーションはもちろん、稼働中の施設における製造環境改善にも役立ちます。今後は、半導体関連、液晶パネル、精密機器メーカーのクリーンルームなどに活用し、お客様の事業を支援していきます。
●特長
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分子シミュレーションを応用した独自のシミュレーション技術
本技術は、シリコンウエハや液晶のガラス基板などの表面に吸着して製品不良の原因となる化学物質の特定や汚染度を高精度に評価します。
分子シミュレーションを応用した独自のシミュレーションプログラムにより、従来のサンプル採取と実験を繰り返す手法では数ヶ月から数年かかる汚染対策の期間を、大幅に短縮できます。
汚染物質や製品表面の化学構造、温度など、実際の製造条件下で汚染物質の吸着エネルギーを評価し、汚染現象を視覚的にきめ細かくシミュレーションすることができます。複数の化学物質による汚染を吸着エネルギーの値を元に比較することも可能です。
■数多くの汚染物質に対応
フタル酸エステル類(可塑剤類)、芳香族化合物類、アルカリ性化合物、リン酸系有機物質、シロキサンなどの代表的な汚染物質50種に対応しています。また、分子構造がわかれば、その他の物質もシミュレーション可能です。
世界最高水準を誇る総合クリーンルーム研究施設
今回ご紹介しました技術の他、当社は世界最高水準を誇る総合クリーンルーム研究施設「クリーンルーム実験棟(当社技術研究所内)」を保有しています。お客様の生産プロセスに最適なクリーン環境の構築にぜひお役立てください。
クラス0(ゼロ):JIS表示で、例えばクラス1の場合は1m3中、粒径0.1μm以上の微粒子が10個以下。今回の「クラス0」は同粒子が1個以下であることを表しています。