大地震の際には、建物の構造には被害がなくても、室内における家具の転倒や壁・天井などの損傷により、人的被害が発生する危険性があります。
当社は、地震時における高層ビルやマンション等の室内安全性をパソコンで即時診断するシステム※を開発しました。
従来、地震時における室内安全性の評価・分析は、複雑なプログラムを使って解析するために数日かかっていました。しかし、当社が開発した簡易診断システムは、初歩的な建築知識を持つビル管理者が、数時間の建物調査を行った上で、パソコン画面上の情報入力シートにデータ入力を行うだけで、瞬時に判定結果が得られます。
また、診断に基づき、地震時の室内安全性確保のためのコンサルティングも行います。皆様の防災対策検討に、ぜひお役立てください。
本システムは、文部科学省の「大都市大震災軽減化特別プロジェクト」の一環として、独立行政法人 防災科学技術研究所から受託した研究における開発成果です(期間:平成14年~18年)
●特長とメリット
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操作は簡単。しかも、短時間で診断可能
本システムは、5~50階建ての建物を対象に、室内における家具の転倒や壁・天井などの損傷による危険性についてパソコンを用いて診断します。入力データの種類を絞り込んでおり、簡単なデータ入力だけで即座に自動判定できます。
また、診断精度は高く、阪神・淡路大震災や新潟県中越地震の揺れのデータを用いて検証を行った結果、実際の被害に近いシミュレーション結果を得ることができました。
地震時における室内安全性評価の流れ
地震時における室内の危険性をきめ細かく評価
地震時の室内は、数多くの危険にさらされています。転倒した家具などの下敷きとなったり、挟まれたりする直接的な被害はもちろん、避難・救護活動の妨げや業務の中断など、二次的な被害をもたらします。
家具・什器の転倒確率は、その高さや配置、床素材などの条件により変化します。また、建物の上層・中層・下層により、被害状況は異なります。本システムは、様々なデータを入力することで、危険性がきめ細かく評価できます。
■開発者からの一言
家具の転倒は、地震時の負傷原因の中で、大きな割合を占めています。また、壁や扉の損傷は、地震後の避難行動に支障を来たします。
本システムを用いた室内の被害予測や対策提案により、地震時の負傷者の低減、地震後の早期復旧のお役に立てれば、と思っております。