今日、既存建物を有効に活用していくことが重要な課題となっています。建物や橋、トンネルなどの既存の施設・構造物をできるだけ永く、安全に使い続けることが求められ、そのための補修・補強技術が必要とされています。
今回の特集では、軽くて丈夫な炭素繊維を用いて、施設や構造物を効率よく補修・補強できる2つの技術をご紹介します。
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■建物の耐震補強工法「SR-CF工法」
近年は、建物の地震に対する安全性向上が社会的に強く求められており、建物を使いながら耐震補強をするニーズが高まっています。また、建物を最適な状態で有効に活用していくために、既存建築物の安全性を強化する建築基準法の改正*が5月に衆議院で可決、成立しました(1年以内に施行)。
SR-CF(Seismic Retrofit by Carbon Fiber Sheet)工法は、既存建物の柱や梁、壁に炭素繊維シートを貼り付けることで、建物の耐震性能を大幅に向上させる技術です。
建物を使用しながら耐震補強することが可能な上、柱はもちろん、梁や壁など炭素繊維シートを全周に巻き付けることができない部分でも「CFアンカー」を併用することで効率よく耐震補強することができます。教育施設、庁舎、住宅などの建築分野だけではなく、土木構造物などの実績もあり、多様な用途に活用できます。
建物の補強(例)
■SR-CF工法の特徴
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■炭素繊維シートによる補強効果
炭素繊維をシート状にしたもので、鋼材と同等の強さを持ち、柱のねばり強さを実現します。 |
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■「CFアンカー」により壁付き柱などの補強も可能に
炭素繊維を束ねたものが「CFアンカー」です。 壁に小さい孔をあけてCFアンカーを挿入し、端部を扇状に広げて炭素繊維シートに接着して一体化させる簡単な方法です。 |
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■適用事例
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■施工手順
■大規模構造物の補強・補修工法「HiPer CF工法」
HiPer CF(High Performance Carbon Fiber)工法は、道路や鉄道、港湾などの土木構造物を、炭素繊維シートを利用して補修・補強する技術です。
コンクリート構造物と炭素繊維シートとの間に緩衝材となる弾力性のある材料を設置する接着工法で、構造物にかかる力を分散させ、シートの剥離を緩和することができます。
工法の仕組み
■HiPer CF工法の特徴
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■適用事例
トンネル・管などの内面補強でも効果を発揮し、コンクリートのひび割れ・剥落などの防止にも有効です。また、塩害劣化対策として、桟橋やLNG気化器など表面保護を兼ねた補修工法にも適用できます。 |
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■施工手順
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